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【すぐに分かる】法務に向く人、向かない人⁉を徹底解説

スマホを手にもって横になる女性
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目次

はじめに

現時点では法務の仕事に就いているわけではないものの、「法務に興味がある人」は勿論、既に法務の仕事に従事している人の中にも「果たして私は法務に向いているのだろうか」「法務の適性がないのではないか」といった不安を覚える人が少なくないようです。

確かに法務未経験の人からみると、法務に対するイメージは、「各人が静かに仕事をしている」「法務部に行くと、物音ひとつしないので怖い印象がある」「(仕事が)ガチガチで融通が利かないイメージ」等々ではないでしょうか。

まぁ、個々の企業の法務部により違いががることは事実であることは当然ですが、総じてあまり良くない⁉印象が先行する傾向にあることは事実です。

それでは、そのような「あまり良くない⁉印象」を持たれるにもかかわらず、法務という組織ないし法務という仕事に対する興味や関心を持つ人が増えているのは、どのような理由に基づくものなのでしょうか。

それは、一言で言うならば、企業各社や社会が適法経営を強く意識している状況にあるためです。

これはコンプライアンス意識の高まりであり、ときおりニュース等で報道され、世間を騒がせることにつながる、企業の不祥事を思い起こせば納得できるのではないでしょうか。

例えば、個人情報の漏洩をはじめ、重要な法令に違反していることが発覚すれば、その企業が被るダメージは、今や計り知れないということができます。

その企業にとって長い年月をかけて積み重ねてきた、顧客や取引先等のビジネスパートナー、さらには社会一般からの信頼を一瞬にして失ってしまう結果に至らないとも限らない状況に直面しています。

こうして一度失った信頼を再び取り戻すことは容易なことではありません。

このため、企業は適法経営を重視しているわけです。

そして、ここでは、単に形式的な法令を遵守していればよいというものではなく、法令をはじめとした各種の諸規則その他の広い規範全体を含むものであるということを意識することが求められているのです。

こうした背景事情により、企業が遵守することを求められるルールの総説・改正等を主要な業務の1つとして取り扱う法務に注目が集まっているわけです。

この記事では、既に法務の仕事に従事している人はもちろん、法務の仕事をしているわけではないが、今後の自身のキャリア形成において法務への進出を検討している人を対象にして、次の事項を解説していくことを目的としています。

対象

  • 法務に向くのはどのような人か
  • 法学部/法科大学院出身者であることは必須か
  • 何歳までなら法務の仕事に転じたとしても一人前になることができるか

この記事においては、自身のキャリアとして法務を主戦場としていくことに関心があるものの、自身の適性の有無や、配属後の活躍に対する不安を抱える皆さんを対象にして、有益な情報を提供することを目的としています。

法務としての適性について関心のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

法務の適性

どのような人が向いているか

まず、法務の仕事に適性のある人として一般的に説明されている内容をご紹介することにします。

なぜ、このような言い方をするかというと、私自身は法務の適性に対する一般的な説明よりもう少し分析的に捉える必要があるのではないかと考えるからです。

私自身の意見を述べる前に、一般的な説明を下記していきます。

A説:責任感が強い、知的好奇心が高い、コミュニケーション能力が高い

法務の適性に関して、「次の3つのような特徴を持つ人は、法務に向いているといえます。」と説明している論者がおられます。

これを仮に「A説」としましょう

論者は、その特徴として次の事項を挙げます。

  • 責任感が強い
  • 知的好奇心が高い
  • コミュニケーション能力が高い

論者は、上記の特徴を持つ人が法務に向いている理由を次のように説明しています。

A説の見解

法務に向く人の特徴その特徴を挙げる理由
責任感が強い責任感が強い人はトラブル対応など、リスクのある業務を最後まで遂行できる。法務は1つのミスが大きな損失に繋がりかねないリスクのある業務を担当する。特に契約書は必要事項が漏れていないかリスクをチェックする等、権利義務を明確に把握する必要がある。
知的好奇心が高い時代の潮流により法律は改正されるため、ものごとに興味や関心を抱き、深く知りたいという知的好奇心の高い人は法務に向いている。法務はこうした制度への対策を常に講じる必要があり、知的好奇心が高い人はたびたび変化する制度に対応するための学習が苦にならない。
コミュニケーション能力が高いコミュニケーション能力が高ければ、社内各部署の社員や社外の専門家とのやり取りもスムーズに対応できる。法務は、他部署の社員に法務官連の内容を説明する、または弁護士など社外の専門家とやり取りする場合がある。そのため、相手によって会話を調整するコミュニケーションの柔軟性が必要になる。深い知識を持たない他部署の社員に説明する際には専門用語を使わない方が分かりやすく伝わる一方、専門家には専門用語を使った方が会話がスムーズになる。また、法律に関する相談を受ける際に必要な情報を聞き出す必要があるため、コミュニケーション能力の1つであるヒアリング力の高さも重要である。

A説の理由の概要は上述のとおりです。

確かにA説が挙げる3つの特徴は、いずれも法務にとって重要であることに疑いの余地はありません。

責任感がない人に法務の仕事を任せたとしても、途中で放棄してしまうことになっては、企業が重大な損失を被ることにつながるおそれがあることは想像に難くありません。

また、知的好奇心の高さについても、従来法令諸規則の内容が変更することは、たびたびあることに加え、社会の醸成に応じて新たな制度が創設されることも少なくなく、このことは今後も続くことが予想されます。

よって、古いままの情報で仕事をすることはできない業務であるため、智的好奇心の高さが必要であることも事実であると言えます。

さらに、コミュニケーション能力が高いことも法務に対して必要な能力の1つであるでしょう。

トラブル事案の解決においては、その事案を良く承知している組織の社員からのヒアリングが必須ですし、その内容を的確に理解し、経営幹部や社外の法律専門家との間で共有等するにあたって、コミュニケーション脳力を備えている必要があることは確かであると言えます。

しかし、これら3つの特徴ないし能力が、法務に必要であるとしても、これら3つの能力を備えていれば法務の仕事・役割を果たすことができる、適性があると言えるかは別問題ではないでしょうか。

A説の見解には、責任感、知的好奇心、コミュニケーション能力だけでなく、さらに法務の仕事をこなしていくうえで必要な要素が欠けているように思われてならないのです。

参照ページ

法務で働きたい人必見! 法務に向いている人の特徴4つを解説! 活かせる資格や仕事の探し方も

B説:勉強が好きで学習意欲が高い、ロジカルに物事を考えられる等

この見解は、法務に向く人の特徴として「勉強が好きで学習意欲が高い」ことを筆頭に挙げる点が特徴的です。

この見解を「B説」とします。

B説は、法務に向く人の特徴として全体として次の事項を指摘します。

B説の見解

法務に向く人の特徴その特徴を挙げる理由
勉強が好きで学習意欲が高い法務の仕事はたくさんの法律を覚え、覚えられないことであってもどこを調べれば良いかを理解していることが必要になる。そのため、受動的に仕事をするのではなく、自分で勉強して知識を身に付けることが好きな人に向いている。
細かい作業が得意契約書の作成は法務にとってメインの仕事の一つ。取引先とトラブルがあった時には契約書の内容がすべてになるので、契約書の作成時や相手側から契約を求められた時には隅々まで内容を慎重に確認する必要がある。
正義感がある立場が上の人に対しても正義感を持って交渉や説得できる人が法務職には向いている。
ロジカルに物事を考えられる法務には感情的に仕事をするのではなく、ロジカルな思考で仕事をすることが求められる。なぜそうしなくてはいけないのか」「そうしなければどうなるか」など順序だてて説明できる必要がある。特に法務の仕事は難しい用語や表現も多く、一般的にわかりにくいことが多いので、なるべくシンプルに誰にとってもわかりやすく表現することが大切である。
変化への対応ができる法務の仕事は、毎年同じ仕事をするわけではなく、各種の法改正や世間の動きなどを敏感にキャッチし、企業運営に取り入れる必要がある。ニュース等の情報をキャッチすることに加え、それを社内に浸透させるために上司にプレゼンしたり、社内向けの研修の実施等が求められる。

両説の検討

「勉強が好きで学習意欲が高い」ことを法務の素養とすることについてですが、論者の正確な意図は不明ですが、この記載から見る限り、いわゆる秀才型を求めているように受け止められます。

確かに、伝統的な大企業における法務部員の姿は、旧帝大や難関私立大学の出身者が占めるケースが多いことから、「勉強が好きで学習意欲が高い」ということに適合する印象を受けることは事実です。

ですが、ここでも上述のA説と同様な指摘をすることが可能ではないかと思われます。

すなわち、「勉強が好きで学習意欲が高い」ことは、他の職種でも同様なのではないかということです。

このことは、B説が提唱する他の要素(「細かい作業が得意」「正義感がある」「ロジカルに物事を考えられる」「変化への対応ができる」)についても同様に妥当するはずです。

これらの事項は、法務の仕事をする際に必要ないし有用であることは事実ではありますが、特に管理職の立場に足り、「法務部員として迎え入れるにあたり、どのような素養を持つ人材であれば、法務として成功することができるだろうか」という視点を照らしてみた場合、決定的なものとは言い難い印象を拭い去ることができないのです。

参照ページ

法務職に向いている人にある5つの特徴とは? 主な仕事内容・やりがいを徹底解説

法務の特異性

上述のように、A説とB説には、法務の適性を判定する決定的な要素を提示するまでには至っていないように感じられるのです。

私がそのように考えるのは、法務の仕事の場合、事務系の業務の中でも特異な性格を持つためです。

そこで、以下に私の考えを述べることにします(仮に「C説」とします)。

学生時代の積み重ねが欲しい

企業における事務系の仕事は多岐にわたりますが、その多くは、入社後、各種の社内研修やOJTを通じて学び、身に着けていく性質のものです。

つまり、会社に入社した後に各自が取り入れる知識や技術で対応することが可能であるという性質を持っています。

これに対し、法務はやや性格を異にするというのが私の理解です。

すなわち、法務としての仕事については、その内容が社内各組織からの法務相談であったり、契約書の作成・検討であったり、訴訟を含むトラブル対応等のいずれについても、これらを法務としてその解決に向けて対応するには、一定の法務知識を必要とします。

もちろん、会社に入社し、例えば法務部門に配属された以降に身に着ける知識も当然あり得るところではあることは事実です。

しかし、法務の場合、基本的に入社する前の学生時代の段階で一定程度の法務に関する知識を保有していることが必要ではないかと考えるのです。

民法に関する基本的知識のない人に法務の仕事をさせることは、会社にとっても、配属された本人にとっても、あまり良い結果をもたらさないように思えてならないのです。

実際、法務部門において豊富な業務経験を持つあなたが後輩社員であり、しかも民法に関する知識のない状態で法務に配属された社員から契約案件の対応に関する相談を受けたケースを想像してみてください。

あなたが後輩社員に対し、「契約というのは、契約当事者の合意があれば成立するのであって、社内規程のことは一旦別にして、必ずしも契約書が存在しないといけないというわけではないでしょ?」と説明をした際に、その後輩は「そうなんですか?初めて知りました、勉強になります!」と答えたとしたら、あなたはどのように感じるでしょうか。

おそらく、あなたは「(この後輩が法務で活躍していくことは、かなり厳しいのではないだろうか)」と感じるのではないかと思うのです。

ここで、この記事をお読みになった方々に誤解していただきたくないことは、私が申し上げているのは、「法務は他の仕事と比較して高尚なのだ」とか「法務の仕事は他の業務と比べてレベルが高い」という趣旨では決してないということです。

あくまで、業務の性質上、入社ないし法務部門に配属される前の段階において、一定程度の法務知識を習得していないと、以後、法務として仕事を円滑に遂行していくことが難しくなるのではないかと考えるのです。

必要な知識の範囲・程度は?

それでは、「入社ないし法務部門に配属される前の段階で必要になる一定程度の法務知識」とは、どのような範囲・程度を意味するものであると理解すればよいでしょうか。

企業における法務の仕事は、「ここまでやっておけば十分」というものは存在しないと言って過言ではありません。

と同時に、法務部門で仕事する人がありとあらゆる法律の内容を熟知するということも非常に困難なことです。

そうした中で法務として仕事をしていく上では、次の法律について人とおり内容を知っていることで足りるのではないでしょうか。

  • 憲法
  • 民法
  • 刑法

上記の基本三法についてその概要(各科目の全体構造と基礎的な論点)を理解している状況であれば、法務として歩いて行くことが可能になるでしょう。

もちろん、企業の実務については、上記の基本三法の他に、商法・会社法、民事訴訟法・破産法、独占禁止法、下請法、労働法、その他各種の業法等の知識が必要になることも事実です。

ですが、基本三法の知識があれば、後は本人の意欲等により必要な知識を吸収し、業務への成果に結びつけることができるというのが、私のこれまでの経験から導かれる1つの答えになります。

法学部/法科大学院出身者であることは必須か

入社ないし法務部門への配属前にこうした法務に関する知識を身に着けることができるのは、どのような場合でしょうか。

まず最初に考えられるのは、大学の法学部で学ぶことだと言えます。

法学部であれば、憲法・民法・刑法は勿論、商法、会社法、訴訟法等の一定の法律科目についても講義がなされるのが通常だといえます。

学生が特に興味・関心を持つ法律科目があれば、ゼミで深く学ぶ機会を得ることもできるはずです。

また、大学の法学部出身者でなくても、所定の試験を経て法科大学院(未修コース)に進むこともあり得るところです。

このように見てくると、法務の仕事に従事する大半の人は、法学部の出身だろうと思われます。

法学部出身の方が法務の仕事をイメージしやすく、実際上も「入りやすい」ことは事実です。

それでは、法務部門で仕事をする人材を探す場合、法学部/法科大学院出身者であることを必須とするべきでしょうか。

結論から申し上げると、必ずしも法学部/法科大学院出身者に限定する必要まではないと考えます。

実際、私の周囲にも法学部ではない、総合政策学部、経済学部等の他学部出身者で法務の仕事に従事している人が存在します。

法務に着任するに先立ち、何らかの方法によりその基礎になる知識を習得している状況であれば、他学部の出身者であったとしても対応することはできると考えられます。

ただ、法学部以外の学部に属する学生が法律の勉強をするのとは異なり、社会人が自身の通常の業務を遂行しつつ、他の事項(法務)の勉強をしていくことは、かなりハードなものとなることが予想されることには留意しておく必要があります。

未経験者の法務配属は、何歳までなら可能か?

社内で営業等の仕事に従事している人が自身のキャリアを考えるにあたって、「次回の人事異動で法務部門に行きたい」として法務への異動を希望するということがあります。

実際、私の勤務先にもそのように考える人がいます。

そのように法務への異動希望を持つ人が従前、法務の仕事をしていた経験があり、他業務で培ったものを活かして再び法務の仕事に就くのであれば、より高品質な法務としての成果を上げることが期待できるでしょう。

私自身も法務一筋できたわけではなく、途中で異動・出向を経験しています。

異動先・出向先で得た業務の経験や人脈は、その後の私自身に大変有益なものをもたらしてくれています。

一口で言えば視野が広がるのです。

法務人材が他組織に異動等することの意義・魅力については、機会を見つけて改めて論じることにしたいと考えています。

話を元に戻します。

ここで記しておきたいことは、かつて法務の業務経験を持たない人が「法務の仕事をしたい」という希望を持つに至った場合、それを実現させるにあたり、(社内制度等ではなく)年齢に上限を設けておく必要があるか否かということです。

上述のように、法務の場合には学生時代の蓄積が必要になる業務であり、例えば、民法だけでも条文数が多い中、他の法律も学んでいく必要があります。

このため、法務に配属後にその知識を自身に取り込んでいくことは負担がかなり重くなります。

管理職としてみた場合にも、「果たして着いて行けるだろうか」という不安を感じるのです。

私は、法務未経験者を法務に配属するのであれば、その社員が20代、遅くとも30代前半がひとつの目安になるのではないかと個人的に考えています。

それ以降の人材であれば、法務よりももう少し範囲を絞り、情報セキュリティ分野とするか、法務とは観点が異なりますが、監査を視野に入れることが良いのではないでしょうか。

それでも法務を希望する場合

大企業の中には、法務部員の人数を増員し、大規模な組織にしているところがあります。

そうした企業では、法務部内で業務の分業化がなされていることが多いといえます。

分業の方法は区々ですが、社内組織ごとに対応するチーム(課・担当)を決めていたり(例えば、「営業部からの相談案件は、法務第一課が担当する」等)、M&Aについてはこのチームで対応する等、案件の性質による分業方法もあり得るところです。

分業化が相当に進んだ法務部門であれば、未経験者が配属されたとしても、自身が担当する法務領域に絞って学んでいくことで対応できる面が少なくないでしょう。

よって、法務経験者であっても受け入れて育成し、戦力化してくれる可能性があります。

また、分業化が必ずしも進んでいるわけではないとしても、その法務部門が利用する各種のツール(各種の契約書フォームや関連する解説書類)が充実していて、それを都度参照することにより業務上必要となる知識を得ることができるという考えに立てば、それを十分に活用していくことにより、法務としての仕事を遂行することができるという場合もあるのかもしれません。

まとめ

この記事では、法務部門の仕事に向くのはどのような人なのか、に焦点を当てて解説しました。

コンプライアンスの更なる高まりの影響もあるためか、法務で仕事をすることを志望する人が増えている状況にあります。

同じ法務で仕事をする人間の1人として、志望者が増えているということは、自分が進んできた道を評価されたように感じ、大変嬉しいことです。

もっとも、法務の場合、入社し、法務部門に配属された後に業務に必要な知識を吸収するだけでは足りず、入社する以前の大学の法学部在籍中にある程度の法務としての素養を培うことが以後の自身の負担軽減だけでなく、法務としてその道を極めるうえで重要な部分ではないかと考えるのです。

もちろん、これは私の個人的な考えでしかなく、法学部出身者でなくても、それを補うことができるのであれば、法務としての活躍の余地はあることは確かです。

新しい法務の姿を見つけることができるかもしれません。

スマホを手にもって横になる女性

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